ドライアイのセルフチェック下記5つ以上当てはまるならドライアイの疑いがあります。ドライアイは治療が必要です。放置せずに当院までご相談ください。
ドライアイとは
ドライアイとは乾燥性角結膜炎とも言い、パソコンやスマートフォンの画面を長時間見続けることで涙の分泌量が減少したり、涙の質が低下して視機能に支障を来たす疾患です。発症すると目の疲れや乾き、不快感などが生じるようになります。
ドライアイは様々な要因によって引き起こりますが、大きく分けて涙の量的な異常と、涙の質的な異常の2種類に分類されます。
ドライアイの原因
涙は、水や油など様々な成分によって構成されています。パソコンやスマートフォンの画面を長時間見続けることによって、これら成分が不足したり質が変化してしまうことで涙が乾きやすくなり、ドライアイを発症します。
水の成分が不足するタイプ
加齢に伴って、涙を生成する涙腺の機能が低下したり、全身疾患によって涙腺に炎症が起こると、涙の水分量が減少してドライアイを引き起こします。
また、涙の水分量が非常に少ない場合は、シェーグレン症候群という全身の炎症性疾患を発症している可能性もありますので、血液検査によって疾患の有無を確認する必要があります。
油が不足するタイプ
涙が蒸発するのを防ぐマイボーム腺の機能が低下することでドライアイを引き起こします。マイボーム腺とは、まぶたの縁に存在し涙の油成分を分泌する器官です。
ドライアイの症状
ドライアイは、目の乾燥など典型的な症状以外にも、様々な症状を引き起こします。
目が乾燥する
パソコンやスマートフォン、テレビなどの画面を長時間視聴したり、細かい作業を長時間行うと、瞬きの回数が減少する傾向があります。瞬きが減少すると目が乾燥して表面の摩擦が増え、目の表面が傷つきやすくなり、場合によっては目の表面だけでなく角膜や結膜が損傷を起こす可能性もあります。
また、重篤なドライアイは、シェーグレン症候群を伴っている恐れがあります。シェーグレン症候群は主に中年女性に多く見られる疾患です。
物がかすんで見える
ドライアイには、視力が良い方でも目のかすみなど、見え方に個人差が出ることがあります。原因は、涙の出方の違いが考えられます。目の表面を覆っている涙には屈折力があるため、目の表面が涙によって均一に覆われていない場合、見え方が不安定になります。
このように、ドライアイは目の乾きや目の疲れだけでなく見え方にも悪影響を及ぼし、実用視力が低下する恐れがあります。
目がゴロゴロする
ドライアイを起こすと、涙の量が減ったり、涙の質が変化することで、目にゴロゴロ感や異物感が生じたりします。また、涙には外部の異物から目の表面を守る働きもあるため、ドライアイになって目が乾燥すると、目の表面が傷ついたり、粘膜のバリアが破壊されて不快な痛みを伴うことも多いとされています。
目が疲れる
十分に睡眠を取ったにも関わらず目の疲れが残ったり、仕事などで夕方頃に目が疲れやすくなるなどの症状があれば、ドライアイの可能性があります。また、人によっては目の疲れとともに、頭痛が併発する場合もあります。
ドライアイはひどくなる
とどうなる…?
ドライアイが進行すると、視力低下や目の痛みが生じ、中には角膜が乾燥によって剥がれてしまう角膜上皮剥離を発症してしまうこともあります。
ドライアイの検査
ドライアイの検査は、視力検査と眼圧検査などに加えて、涙の質や量を調べる検査が必要になります。また、細隙灯顕微鏡を使用して、目の表面に損傷具合を調べます。
ドライアイの治療
上記の通り、ドライアイの原因には様々なケースがあり、原因に応じた治療を適用する必要があります。主な治療法は以下となります。
点眼治療
涙の水分量や粘液を増やす点眼薬を使って涙の量と質を向上させ、ドライアイを治療します。点眼薬には様々な種類がありますので、患者様の病態に合わせて選択したり、併用したりします。
涙点プラグ挿入
涙点とは、まぶたの鼻側にある涙の排水口のことで、この涙点から涙が鼻側に抜けて、涙を排出しています。この涙点に涙点プラグという小さなゴムやプラスチックのプラグを挿入することで、涙点を閉じて涙の排出を抑制し、涙が目に溜まるようにします。この治療法は、主に水分が不足しているタイプのドライアイや、シェーグレン症候群が合併したドライアイに対して有効です。
治療は外来処置で行います。まずは点眼麻酔を行い、その後涙点に涙点プラグを挿入します。涙点は左右、上下に計4つありますが、患者様の病態によって挿入する数や場所は変わります。また、涙点プラグを挿入する時間は数分で済み、痛みもほとんどありません。
稀なケースとして、涙点プラグを挿入したにも関わらず、自然とプラグが抜けてしまうことがあります。その場合は、外科的処置(手術)によって涙点を閉塞させることもあります。
なお、当院では涙点プラグ挿入術は行っておりませんので、当院と提携している高度医療機関やご希望の医療機関へ紹介いたします
ドライアイの対策方法
ドライアイの対策では、生活習慣の中でドライアイを引き起こす原因をできる限り回避することが重要です。以下が具体例となります。
- 長時間パソコン作業をする際は、できるだけコンタクトレンズよりもメガネを使用する
- パソコン作業する時は適度に休憩時間を設ける、また、意識的に瞬きをする
- スマートフォンの長時間使用を避ける
- エアコンの風向きを調整して、目に直接風が当たらないようにする
- 加湿器や濡れタオルなどを使って、部屋の湿度を保つ
また、別の疾患で処方された薬・点眼液の副作用や、結膜弛緩症、マイボーム腺梗塞など他の目の疾患、シェーグレン症候群などの全身疾患などの影響で、ドライアイを発症することもあります。ドライアイの対策をしつつ、これら疾患の有無を確認するため、受診されることをお勧めしております。
ドライアイは眼科医にて
適切な診断と治療が
必要です
ドライアイは、様々な原因によって涙に異常が生じる慢性疾患で、目の不快感や視機能の低下を引き起こします。症状や原因が多様であることから、症状が一時的なものであるのか、慢性疾患によるものであるのかの区別を付けることは難しく、眼科の専門医でなければ正しい診断や治療を行うことができません。自己判断で放置しておくと、気付かないうちに症状が進行し、様々な合併症を引き起こす恐れもありますので、受診して早期治療と定期的な通院によって改善して行きましょう。
ドライアイは、生活習慣や他の疾患などによって、涙の量や質が変化してしまうことが原因のため、市販の点眼薬で水分補給するだけでは改善できないこともあります。また、市販の点眼薬や水道水で洗眼すると、かえって症状を悪化させてしまう可能性もありますので注意しましょう。
何かご不明な点がございましたら、当院までお気軽にご相談ください。