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目の充血(充血が治らない)

充血の種類

充血の種類目の充血は、目の血管に炎症が起こったり、目の血液量が増加して血管が拡大することが原因で起こります。
目の充血には、以下のような種類があります。

結膜充血

結膜充血とは、白目(結膜)全体が網目状に赤色に染まる充血です。まぶたの裏側にも充血が及ぶことがあります。
主な症状は、目やにや涙が出る、かゆみを伴うなどになります。原因としては、細菌やウイルスによる感染、花粉やハウスダストによるアレルギーなどによって結膜炎を起こしている可能性が考えられます。

毛様充血

毛様充血とは、黒目(角膜)の周辺が充血する疾患で、黒目を中心に外に向かうにつれて充血が薄くなっていきます。角膜・強膜・ぶどう膜といった目の深部で見られ、充血が青紫色を帯びる特徴があります。なお、まぶたの裏側が充血することはほとんどありません。
症状としては、涙が出ることはありますが、ほとんどの場合目やには出ません。一方、目に強い痛みが生じたり、なかなか症状が改善されない場合には、重篤な疾患による可能性もあるため、早期に受診するようにしましょう。

結膜下出血

結膜下出血は、結膜の下にある血管が破裂して内出血が起きている状態の疾患で、正確には充血ではありません。白目の中に赤い点が見られることが特徴で、症状が進行すると白目全体が赤一色に染まります。
痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんどなく、視力低下もありません。通常は1~2週間、長くても2~3か月で出血が自然吸収されて改善されます。
主な原因には、目をこする、くしゃみ・せき、過剰な飲酒、月経、水中メガネの絞め過ぎなどがあげられます。


充血の原因

目の疲れ

パソコンやスマートフォンの長時間使用などによる目の酷使や、寝不足などによる目の疲労の蓄積は、充血の原因となります。

外部からの刺激

目が外部からの刺激を受けると、充血を引き起こします。主な外部刺激には、以下になります。

  • ゴミ・ほこり・花粉
  • 目をこする
  • コンタクトレンズ
  • 紫外線
  • プールの消毒用塩素
  • 目をこする

など

目の病気

結膜が目の疾患によって炎症を起こすと、目の充血が引き起こされることがあります。主な原因疾患としては、細菌の感染による細菌性結膜炎、ウイルスの感染によるウイルス性結膜炎、アレルギー反応によるアレルギー性結膜炎などがあげられます。
毛様充血は角膜・強膜・ぶどう膜の炎症によって起こります。主な原因疾患としては、虹彩毛様体炎、角膜炎、強膜炎、ぶどう膜炎、急性閉塞隅角緑内障などがあげられます。

アレルギー性結膜炎

花粉やハウスダストなどのアレルゲンが付着することでアレルギー反応を起こし、結膜に炎症が起こります。
主な症状は、目の充血やかゆみ、まぶたの腫れ、ゴロゴロとした異物感などになります。

アレルギー性結膜炎

ぶどう膜炎

ぶどう膜とは、光量を調整する虹彩、ピントを調整する毛様体、網膜に栄養を運搬する脈絡膜で構成される膜です。このぶどう膜が炎症を起こした状態が、ぶどう膜炎です。
主な症状は、目の充血や痛み、視界のかすみ、光のまぶしさ、飛蚊症などになります。

急性閉塞隅角緑内障

急性閉塞隅角緑内障とは、急速に隅角が閉塞することで房水の排出が阻害され、急激な眼圧の上昇を起こす疾患です。発症した際には、緊急治療が必要になります。
主な症状は、目の痛みや充血、頭痛、吐き気などになります。

角膜炎

角膜炎とは、黒目部分の角膜が炎症を起こした疾患です。主な原因は、花粉やハウスダストなどのアレルゲンに対するアレルギー反応や、細菌や真菌の感染などがあげられます。
主な症状は、目の充血や痛み、まぶたの腫れ、異物感などになります。

角膜炎


目の充血の対処法

目を休める

目の充血の対処法日常生活でスマートフォンやパソコンを長時間使用した際には、適度に目を休息する時間を設けるだけでも、充血の改善・予防に繋がります。目安としては、1時間使用したら15分程度目を休めるなどの対策を行いましょう。
また、ものを近距離で見続けると、無意識のうちに瞬きの回数が減り、毛様体筋という目のピント調節を司っている筋肉が常に緊張した状態になり、充血を引き起こすこともあります。したがって、意識的に瞬きの回数を増やしたり、定期的に遠くをみるなどして、適度に目の緊張を和らげる配慮も大切です。
他には、寝不足も目の充血に繋がりますので、十分に睡眠を取るよう、心がけましょう。

目を冷やす

目の充血は、毛細血管が拡張することで起こりますので、目を冷やすと血管が収縮し、充血を改善できます。適度に濡れタオルなどを使用して目を冷やすと効果的です。
ただし、冷やしすぎると逆に血流を悪化させるため、注意しましょう。

コンタクトレンズを
正しく使用する

コンタクトレンズを不適切な方法で使用すると、目の充血を引き起こします。使用期限が過ぎたソフトコンタクトレンズを使い続けたり、洗浄液を使用した適切な洗浄を怠ったりしないように注意しましょう。
また、コンタクトレンズを装用した状態で、コンタクトレンズ用ではない点眼薬を使用することも控えてください。

目薬を使用する

一時的に充血を起こしている場合は、充血を除去する効果のある血管収縮剤が含まれた点眼薬が有効です。また、根本的な原因を改善したい場合は、血管収縮剤無配合で目の疲れを和らげる成分などが含まれた点眼薬を使用するのも良いでしょう。
当院では、血管収縮剤配合の有無別に充血用の点眼薬を紹介しています。


治らない充血は
目の病気かも!?

痛みが強い場合は
眼科に相談

目が充血しているだけでなく強い痛みを伴っている場合は、結膜や角膜に何らかの障害が起きている可能性があります。
このような症状を起こした際には、早急に受診してください。

目やにが出ると
結膜炎の疑い

目の充血に加えて目やにが多く出る場合は、結膜炎を発症している可能性があります。結膜炎は、細菌やウイルスの感染やアレルギー反応などが原因で発症し、原因別に細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎、アレルギー性結膜炎の3種類に分類されます。
細菌性結膜炎やアレルギー性結膜炎の場合は市販の点眼薬によって改善することもありますが、ウイルス性結膜炎の場合は点眼薬では改善が見込めないため受診してください。